トラディショナルタイマッサージ鳴海


 

■ 2005年02月02日

2/02(水)

山本有三の 路傍の石 という本を読んだ。路傍の石は戦前の軍国主義思想の横槍により2度も中絶された未完の物語だった。2度目の中絶の理由となった競争社会を批判する挿話が特に良かった。「お月さまは、どうして落っこちないのだ。お星さまや、お天とうさまと仲良くお手てをつないでいるからだ。だから人間も、みんな、仲良く手をつながなければいけない。」その他にも「成功なんて安っぽい言葉で、読者を釣ろうとするのは 新論 よりも浅ましいくらいだ。なるほど、誰はこうして出世したとか誰がこうして一万円儲けたとかいう記事は、がつがつしている世間の奴らには受けるだろう。雑誌は多分売れるだろう。だが売れたところが何だ。そんなことはごろった石を往来に放り出すことじゃないか。人をつまずかせるようなことはよせ。」「how to live?如何に生きるか、これが人間には一番大事な点だぞ。ところが貴様は、いかに成功するか、いかに出世するか、そんなことにばかりあくせくしていやがる。そ、そんなこってどうするんだ。」という台詞もとっても良かった。お金を持っていようが持ってなかろうかはあまり重要な問題ではなくて、人間はそういった点に重きを置いて注意していけば良いのだなと思った。もっと悔い改めなければと、恥ずかしさがこみ上げて来ると同時に、すごくホッとして救われた気分にもなれた。
投稿者 narumi : 2005年02月02日 16:37 | トラックバック
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